月額の利用料金がお手頃なことで注目を集めている「格安SIM」ですが、音声通話で「電話かけ放題」を利用することはできるのでしょうか?
電話かけ放題を利用するときのポイントや注意点について、通信会社を乗り換える前に確認しておきましょう。
更新日:2023.7.21
通信料が安価な「格安SIM」サービスは、一般的に「MVNO(格安SIM提供会社)」が提供しています(MVNOについて詳しくはこちらを参考にしてください)。
MVNOは、格安SIMのサービスとして「データ通信プラン」と「データ通信プラン+音声通話プラン」を提供しているのが一般的です。
ただし、音声通話プランにおいて追加料金なしで「電話かけ放題」を利用できる格安SIMサービスは基本的にはありません。大体は「通話オプション」として追加料金を支払うことで電話かけ放題を使えるようになります。
電話かけ放題オプションを利用しない場合、格安SIMサービスでの通話料金は、30秒あたり○○円という「従量制」になっていて、「30秒あたり22円程度」という料金設定が多いようです。またMVNOによっては月〇分以内なら無料といった「無料通話」サービスや、各通話で〇分までなら無料といったサービスを提供していることもあります。
ひと言に「電話かけ放題」といってもいくつかのタイプがあります。MVNOによって電話かけ放題オプションの呼び方は異なりますが、だいたい以下の3種類に分けることができます。いずれも月あたり一定額のオプション料金を支払うことで利用可能です。
・無制限電話かけ放題:通話時間、回数に制限なく電話かけ放題
・制限あり電話かけ放題:1回の通話時間が○分以内は電話かけ放題
・期間制限あり電話かけ放題:1カ月あたりの通話時間を合算して○分以内は電話かけ放題
なお、国内のMVNOであれば、電話かけ放題の通話相手は国内の電話に限られることがほとんどです。また時間制限のある電話かけ放題の場合、それを超えると規定の超過料金(従量制)が加算されていきます。
格安SIMサービスの通話プランで電話かけ放題オプションを追加するなら、自分がどれほどの時間、通話しているのかを把握しておきたいものです。
1回あたり何分ぐらい通話するのか、それを合計すると1カ月あたりどれぐらいの時間になるのか、といった通話の傾向を把握すれば、どの電話かけ放題オプションが自分に最適かわかるはずです。
格安SIMサービスで利用できる音声通話では、その通話品質が気になるところです。音声の聞き取りやすさや遅延があると、通話するたびストレスを感じることになりかねません。
格安SIMサービスで利用できる音声通話には以下の3種類の方式があります。
・通常の電話回線方式
・プレフィックス方式
・IP電話方式
それぞれの特徴を解説していきましょう。
電話回線方式は、大手携帯電話会社が提供している通話専用の電話回線を使って通話します。
携帯電話番号(090、080、070などから始まる番号)を利用して通話でき、音声品質も大手携帯電話会社での通話と同等です。電波状況が普通以上なら、遅延もまず発生しません。
またデータ通信とは別の回線なので、データ通信が混み合っている場合でも音声品質には影響はありません。
この通常の電話回線方式は、基本的に発信側に電話料金が発生します。
携帯電話番号から発信したとき、アプリが自動的に別の回線へ切り替えて中継し、通話を可能にする方式です。
通信利用料が安い回線を利用するため、MVNOが音声通話を提供する場合にコスト削減を目的に利用されることが多いのです。
別の回線とはいっても通話専用の回線ですから、通話品質や遅延については通常の電話回線とは大きく変わりません。携帯電話番号もそのまま使えますし、着信側にもそのままの番号が通知されます。
ただ格安SIMサービスによっては、専用のアプリをスマホにインストールし、そこから電話をかけなければならないこともあります。
このプレフィックス方式による通話は、基本的に発信側に電話料金が発生します。
インターネット回線を使って通話する方式です。電話回線ではなくデータ通信回線を利用します。そのため音声通話プランを利用せず、データ通信プランだけを利用している人でも音声通話が可能です。
ただしこの場合、携帯電話番号は基本的に使えません。一部のMVNOと契約すると050から始まるIP電話番号を持てることもあります。
IP電話番号が利用できる場合は、電話回線方式やプレフィックス方式と同様の使い勝手で音声通話でき、通話相手が固定電話やスマホでも通話できます。ただし通話にはIP電話番号に対応したアプリが必要となります。
050のIP電話番号を利用できない場合は、音声通話が可能なアプリを使うことで通話できます。たとえば「LINE」や「Skype」アプリでの音声通話がこれに該当します。ほかにも音声通話可能なアプリは多数ありますが、この場合は通話相手も同じアプリを使っていなければ通話はできません。また、相手と相互認証状態(LINEならお互いに「友だち」登録済み状態)でなければ音声通話はできません。
IP電話方式の音声品質については、アプリの性能に左右されることがあります。また、データ通信回線を使っているため、通信状況の状況が音声品質の善し悪しに影響を及ぼすことがあります。さらに、音声をデータに変換して相手のところで再び音声に変換しているので、通常の音声通話よりもやや遅延が発生しやすい傾向があります。
IP電話方式による音声通話の場合、アプリによっては月額料金が必要なことがあります。また音声通話に伴ってデータ量を消費します。
それでは、MVNOが提供する格安SIMサービスの電話かけ放題オプションを選択したほうがいい人とは、いったいどんな通話傾向の方なのでしょうか。
まず、そもそも音声通話をしない、自分から電話をかけることがほとんどないというのであれば、電話かけ放題オプションは必要ないでしょう。
自分から電話をかける機会が多いものの、音声通話自体は5~10分ぐらいというのであれば、毎月何回ぐらい電話をかけているかカウントしてみるといいかもしれません。従量課金でどれぐらいの通話料がかかっていて、それを制限ありの電話かけ放題オプションの月額料金と比較してみたとき、従量料金のほうが高額であれば、制限ありの電話かけ放題オプションを契約する価値はありそうです。
決まった相手と音声通話することが多く、そのときLINEなどのアプリを使うことが多い人であれば、電話かけ放題オプションは必要ないことが多いでしょう。ただし、音声通話によるデータ量の消費には注意したいところです。
自分から発信することが多く、10分以上の音声通話を頻繁にするという人であれば、無制限の電話かけ放題オプションを契約することをおすすめします。ただし、格安SIMサービスでデータ通信プラン+音声通話プランを契約し、さらに電話かけ放題オプションを追加したとき、全体の支払料金が従来使っていた携帯電話サービスよりも高額になるようでは本末転倒というものです。
格安SIMサービスの利用を検討しているなら、自分がいずれのタイプに当てはまるか冷静に判断してみて、電話かけ放題オプションを契約するかしないか、契約するならどんなタイプにするかを検討しましょう。
MVNOが提供する格安SIMサービスの電話かけ放題オプションを契約する前に知っておきたい注意点について解説しましょう。
これはMVNO・MNO(大手キャリア)どちらにも言えることですが、音声通話プランで電話かけ放題オプションを契約していても、電話かけ放題の対象外の発信先があり、通話料金がかかる場合があります。
まず、国外の相手との通話は基本的に対象外です。電話かけ放題オプションの説明に「国内通話」と明記されていることが多いです。海外とのやりとりが多い人は特に注意が必要です。
ほかに「ナビダイヤル(0570で始まる電話番号)」、「テレドーム(0180から始まる電話番号)」、「番号案内サービス(104)」「衛星電話」などが該当します。「ナビダイヤル」はサポートなどの連絡先に使われていることが多く、しかも長電話になりがちなので注意が必要でしょう。
通話オプションで「電話かけ放題」とされていても、よく条件を読んでみると「無制限電話かけ放題」ではなく、通話時間に制限のある「制限あり電話かけ放題」であることがあります。
そういった「制限あり電話かけ放題」オプションの場合、1回あたりの音声通話で10分を超えた場合に「超過料金」が発生し、請求されることになります。超過料金は通常の従量料金より高額に設定されることもあるため注意が必要です。契約時にどういう条件の「電話かけ放題」オプションかは必ず確認しておきましょう。
ここで「LINEMO」の電話かけ放題オプションを紹介しましょう。
LINEMOのサービスを提供しているのはMVNOではなく、国内の大手携帯電話会社の1つであるソフトバンクがサブブランドとして提供しているサービスです。そのため、通信・通話ともにソフトバンク回線を使っているので、通信速度・音声通話の品質も、ソフトバンクのスマホとまったく同じです。
LINEMOのメインとなる料金プラン「スマホプラン」は月額基本料が2,728円、最大データ容量は20GB。もう1つのプラン「ミニプラン」は月額基本料が990円で最大データ容量は3GBと、非常に安価な料金でスマホを利用できます。
音声通話は従量制(30秒あたり22円)で標準機能として利用できますが、もちろん電話かけ放題オプションも用意されています。
「スマホプラン」「ミニプラン」とも、無制限電話かけ放題の「通話定額」オプションが月額1,650円で利用できます。また5分以内の国内通話が無料となる「通話準定額」オプションは月額550円で利用できます。
現在LINEMOでは、それらの通話オプションにてお得なキャンペーンが実施されています。「通話定額」はLINEMOを契約して7カ月目まで月額1,100円で、「通話準定額」は7カ月目までなんと無料になるというキャンペーンです。
さらに、LINEMOの大きなメリットとして「LINEギガフリー」という仕組みがあります。
これは、LINEアプリからのトークはもちろん、音声通話とビデオ通話のデータ消費がゼロになるというもの。つまりLINEアプリで音声通話すれば毎月のデータ量にカウントされない、つまり無料で通話できるということなのです。またデータ容量オーバーになったときでも、LINEアプリの通信速度は低下しないというメリットもあります。
もはやLINEのトークは日常的なコミュニケーション手段ですし、音声通話やビデオ通話をLINEで済ませるという人も少なくないでしょう。多くの人とって、非常に魅力的な格安スマホといえるでしょう。
スマホを使うのに通話が欠かせない、電話かけ放題は必須!という人も少なくないでしょう。
格安SIMサービスに乗り換えるにあたっても電話かけ放題音声通話を重視したいというのであれば、ぜひ格安SIMサービスを選択して契約いただきたいと思います。
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