IP電話アプリはスマートフォンやタブレットにインストールすれば、すぐにでも音声通話が利用できます。しかし、IP電話アプリによって利用できる機能や通話料金などが異なります。
この記事では、IP電話アプリを利用するメリットやデメリット、選び方のポイントなどを解説します。
更新日:2023.7.21
IP電話とは、従来の電話網(アナログ回線)の代わりにIP(インターネットプロトコル)という通信規格を用いて音声をやり取りする電話のことです。
従来の電話は、公衆電話網のアナログ回線を使って音声通話を行います。電話をかけると、音声データが公衆回線網を通って複数の電話局を経由してから相手へ届けられます。
一方、IP電話は音声データを小さく分けるパケットに変換し、IPネットワークを使って音声データを相手に届けます。相手がIP電話を使用している場合はインターネット回線、相手が一般電話を使用している場合は、IP電話施設を経由してつながる仕組みです。
特長 | |
---|---|
公衆電話網 |
各地区に設置された電話局を経由して相手につながる 距離が遠いほど経由する電話局が増えるため、通話料金が高くなる |
IP網 |
インターネットを経由して相手に直接電話できる 通話料金が距離に比例しない |
IP電話は光回線なら「ひかり電話」、アプリなら「LINE」などが有名です。ただし、サービスによって特長や料金プランなどが異なるので、自分の目的に合ったIP電話を使用しましょう。
なお、公衆電話網(アナログ回線)は2025年頃に耐用の限界を迎えるため、NTT東日本・西日本は2024年1月よりIP網への切り替え工事を始める予定です。IP網への移行後、固定電話への通話料金は全国一律3分8.5円(税抜)となります。
屋外から屋内につながる固定電話の線を再利用するため、アナログ回線の加入者が工事、または工事費用を支払ったりする必要はありません。
IP電話アプリとは、スマートフォンやタブレットにインストールするだけで利用できるIP電話サービスのことで、以下などのメリットがあります。
アナログ回線の固定電話は距離が長くなるにつれて、電話料金が高くなります。距離が遠いと電話料金が高くなるのは、複数の電話局を経由するたびに使用料が発生するためです。
IP電話アプリの電話料金は全国一律のため、距離が遠い相手と通話しても高くなりません。また、基本料金もアナログ回線に比べてIP電話アプリの方が安い傾向があるため、トータルで支払う通話料金を抑えることができます。
IP電話アプリの種類によっては、特定の人物との通話料が無料になるケースもあり、通話料金を抑えたい方はIP電話アプリがおすすめです。
IP電話アプリはスマートフォンやタブレットにアプリをインストールするだけで利用可能です。アナログ回線の固定電話のように電話回線を引く手続きや工事が不要です。
また、光回線を使用する光IP電話サービスは、利用するために光回線サービスへの加入と工事が必要です。同じIP電話サービスと比べて、IP電話アプリはすぐに始められます。
携帯電話会社と契約すると電話番号を取得できますが、その場合、携帯電話会社と契約していることが電話番号の使用条件となります。のりかえの際に手続きをすれば別の携帯電話会社でも利用できますが、手続きが面倒に感じることもあります。
しかし、IP電話アプリなら、新しいスマートフォンにアプリをインストール後すぐに利用できます。IDとパスワードでアプリを管理できるので、のりかえの際もよりスムーズに利用できます。
以下ではIP電話アプリを利用するデメリットを解説します。
IP電話アプリだと、フリーダイヤルや緊急通報などの一部の電話番号が利用できません。
また、IP電話アプリによっては、同じIP電話アプリを使用している人としか通話ができないケースがあります。
IP電話はインターネット回線を利用する電話のため、通話品質がインターネット環境に左右されやすく、無線よりも有線のほうが安定しやすい傾向にあります。
スマートフォンでIP電話アプリを利用する場合、Wi-Fi接続の有無、ルーターまでの距離や障害物、周りの環境、電波干渉などによって通話品質に影響を受けます。
IP電話アプリはサービスごとに料金プランが異なるため、電話を1回もしていなくても、月額料金が発生する可能性があります。
IP電話アプリは基本料や通話料が無料というケースも多いですが、インストール前には通話料などを確認しましょう。
IP通話アプリには、さまざまなものがありますが、どのような基準で選べば良いのでしょうか。以下ではIP電話アプリの選び方のポイントを解説します。
IP電話アプリによって通話料金や基本料金の仕組みが異なります。
利用するプランや、地域により金額が異なりますが、コストパフォーマンスにこだわりのある方は、通信料金や基本料金が無料のIP電話アプリを選ぶと良いでしょう。
また、IP電話アプリによって使い方や機能が異なります。
例えば、LINEの通話機能はLINEに友達登録している方を対象に通話料無料で電話をかけることができます。
そのため、登録している友達や家族と通話する機会が多い方は、LINE通話やLINEビデオ通話がおすすめです。
他にも目的によって適したアプリは異なるため、自分が利用したい目的に合っているIP電話アプリを選ぶことが重要でしょう。
IP電話アプリによっては、「050」から始まる自分専用の電話番号が持てます。「050」はIP電話サービスに加入している方が貰える電話番号で、
同じ「050」から始まる番号の通話料が無料になるというメリットがあります。
IP電話アプリによっては、契約している携帯電話会社やプロバイダのサービスとして、割引が受けられる可能性があります。
携帯電話会社やプロバイダを選ぶ際は、IP電話アプリの割引やサービスなどの特典があるか確認してみましょう。
LINEの音声通話やビデオ通話にはデータ通信が発生します。します。次の表は、消費する通信データ容量の目安です。
音声通話 | ビデオ通話 | |
---|---|---|
1分 | 0.3MB | 5.1MB |
10分 | 3MB | 51MB |
30分 | 9MB | 153MB |
1時間 | 18MB | 307MB |
LINEMOはソフトバンクが運営しているオンライン専用ブランドです。ソフトバンク回線で安定した通話品質で利用いただけます。
また、データ量を消費せずにLINEアプリで音声通話やビデオ通話ができる「LINEギガフリー」が全ての料金プランに対応しているため、通話による料金を気にしている方におすすめです(※1)。
なお、LINEMOの料金プランは次の表の通りです(※2)。
項目 | スマホプラン | ミニプラン |
---|---|---|
データ量 | 20GB | 3GB |
月額基本料(税込) | 2,728円 | 990円 |
LINEギガフリー | 対応 | 対応 |
データ量超過後の通信速度 | 最大1Mbps | 最大300kbps |
契約後のプラン変更 | ミニプランに変更可能 | スマホプランに変更可能 |
Liveの利用、ニュース記事の閲覧、スタンプショップの利用など、一部機能は対象外となりますが、LINEMOはすべての料金プランで、LINE通話やLINEビデオ通話のギガ消費がゼロになる「LINEギガフリー」が備わっています。
料金プランはミニプランとスマホプランの2種類です。
ミニプランは月間データ量が3GBで、月額基本料が990円(税込)です。友達や家族とだけLINEで連絡して、スマートフォンの通信料を抑えたい方におすすめの料金プランです。
もう1つのスマホプランは、月間データ量が20GB、月額基本料が2,728円(税込)です。ミニプランに比べてデータ量が多いので、アプリや動画、音楽などをたっぷりと楽しみたい方におすすめです。
料金プランは途中で切り替えることができるため、お子さまが小中学生の間はミニプラン、高校生や大学生になったらスマホプランのように、年齢やスマートフォンの使い方に合わせて変更できます。
IP電話アプリはアナログ回線の固定電話よりも通話料金や基本料金を抑えることができます。
しかし、IP電話アプリによって機能や特長、料金プランが異なるため、よく比較してから選びましょう。
LINE通話はLINEの基本的な機能の1つです。LINE登録者同士での音声通話やビデオ通話が通話料無料で楽しめるサービスなので、友達や家族とコミュニケーションを取りたい方はぜひご活用ください。
※当ページの内容は公開日時点の情報です。
※表示価格は特に断りがない限り税込です。